今週のいろいろ

今週見て聞いて思ったいろいろについて、5点ほど。

インターンでの仕事とそこで得た確信

インターンの自身の目的は、いろんな有識者を紹介してもらって、新たな知見を得るというのがメインだったんだけど、普段のデスクワークでは、先方が投資しようとする分野での事業計画を作成するにあたってのネタをまとめていた。主にWebや携帯を使った新しいビジネスモデルを検討してきたが、今までの経験が非常に役に立ったし、相手先の社長さんをはじめとした皆さんにも重宝がられた。
身一つで起業するというのは、僕にとっては大変な壁であったんだけど、彼らは、会社を作る、投資するプロであってそれを簡単にこなす。VCなんだから当たり前だけれども、横で見ていてその感覚がとても新鮮に感じられた。それから、ベンチャー企業は、VCのKnow Whoネットワークを活用することで、視野が広がりより大きなビジネス機会が得られることはもっと認識すべきだろうと思う。
一方、やはりこの業界におけるボトルネックは、ベンチャー企業を経営できる人材が日本において圧倒的に欠けているということ。事業再生分野におけるCEO市場というのは、日本でもできつつあるが、スタートアップの世界ではその市場は存在しないと言っていい。自論では、技術系Founderではない、ベンチャーにおけるプロのCEO人材マーケットってのは、今後10年間ぐらいのスパンで日本でも必ず成立すると思っていて、僕個人としては中期的にその分野を狙っている。
僕は自己分析をすると、0から1を作る(創業の)資質はないと思っているし、100から1000まで持っていくこと(会社を成長期から成熟期に安定・継続させていくこと)も、前の会社の経験から向いてないし、好きではない。でも1の価値をを100(Exit)に持っていくことに関しては、才能あるんじゃないかと思っている。Business Developmentの資質、それは0も1000も理解できるバランス感覚、対Techieにおけるコミュニケーション能力を根拠にしている。あとは、経営手腕(リスク管理能力だとか事業を継続させるタフネスとか)をここ10年でなんとかつけていけば、このマーケットで勝負できるかなと。で、一応今のところ1〜100の経営能力を養うためには、0〜10あたりからではなく、100〜1000のところから徐々に数字を少なくしていって、攻めてみようかなと思っている。

リッツ・カールトンでの食事会

大学院のワークショップ仲間とリッツ・カールトン大阪フレンチを食す。これは、なんとも貴重な体験だった。
リッツのサービス、おもてなしの心は、最近またいろんなメディアで紹介されているけど、MBAなんて行ってると、「あーおいしかった」で済ますのも芸がないので、ちゃんとを読んで予習していく。彼らのクレド(信条、企業理念)に盛り込まれている"We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen"というモットー、初め読んだときは、感動で目頭熱くなった(笑) 食事会の前に、クオリティ部のマネージャーさんから、クレドに関する説明を受ける。給支やソムリエ含め、全ての社員がプライドを持って仕事している、仕事が大好きで仕方ないといった感じ。ありえないくらいおいしい料理とワインのお陰で、会話も弾み大変豊かな時間を過ごさせてもらった。
100%顧客指向であること、企業理念がいつも中心にあること、採用に最もリソースをかけていること、社員を十分エンパワーメントしていること、社員食堂が無料で豪華であること、広いサービス業において同業と言えるGoolgeとの共通点が多いことに気付く。Googleはテクノロジーによってグローバルなユーザ層を対象、一方リッツは人の温かみによってラグジュアリーを提供、プレミアムな顧客にフォーカス、という点が大きな違いか。
なぜか一緒に同席していたkikubouのリッツ感想記もあるので、参照下さい。

インターン最終日の飲み会

昨日でインターンが終了。最終日は、同じタイミングでインターンに来ていた他大の学生とVCの若手社員さんと飲み会。話の内容は主に「働くということについて」、お互い自論を繰り広げる。やはり僕は年上と話す以上に、年下と話すことが好きだと再度認識した。なんというか、彼らのキラキラした好奇心に溢れる目を見ていると、こちらも元気になっていく。
そして、ああいう素直でモチベーションに溢れた若い才能をつぶすことなく、お互い切磋琢磨すること、一緒に正しい企業カルチャーを作り、成長していけるような会社を経営することが、自分にとっての理想(かつ、今の日本企業の現実へのアンチテーゼ)なんだろうなと思った。

世界で最も倫理的な企業ランキング

野崎さんのブログから。Ethisphereという雑誌で、"2007 World’s Most Ethical Companies" の92社のうちの1社に、僕が前にいたSun Microsystemsが選ばれたというニュース。省電力サーバーで先行していることや、内部統制の構築に強くコミットしていること、ブログやWebcastを通じて先進的な情報開示をしていることなどが買われたのだろう。(今思えば、僕のいた7年間でも、競合他社がいろんな不祥事に巻き込まれていても、Sunはそれらしきことは全くなかったし、内部でも「これって倫理的にどうなの?」っていう経験もなかったなあ。)ここ(PDF)に92社のリストが載っているので是非見てみて下さい。
世界中の名だたる優良企業が選ばれている中で、日本からは、トヨタNEC、キノン、シャープ、花王、イオンの6社が選ばれている。どこもしっかり"本業で"(ここがポイント)社会貢献しようと一生懸命な会社ばかりだ。ただ残念なのは、調べてみたらこの発表が日本では全くと言っていいほど話題になってないこと。Ethisphere誌の権威のほどはいざ知らず、5000社の中から選ばれたんだから、この6社はもっと胸を張っていいと思うし(プレスリリースしてるのはNECだけみたい)、マスメディアも鬼の首を取ったように揚げ足取りばかりしてないで、企業倫理に関するこのようなポジティブ・ニュースも取り上げてもいいと思う。
前期の授業で、高巌先生ダイワSRIファンドの立ち上げの例を挙げて、今後マーケットは、企業のCSRや倫理性の度合いを重視して投資・支援すべきという風潮が浸透していくと言っていた(社会責任投資基準に関しては、麗澤大学 企業倫理センターのこちらの資料(PDF)が詳しい。)
SRIだけでなく、今後外部の機関によってより客観的に定量的に企業の倫理度合が評価されるようになれば、それを理由に働く会社を選ぶという人も増えてくるかもしれないね。年収や企業の認知度、やりたいことなどの基準だけでなく、倫理性が合ってるかどうかというもの、職探しの基準に入ってくる感じ(っていうか絶対そうなるでしょう)。リッツの方の採用に関するお話を聞いても思ったが、自身の信条と会社の求めるものが合わなければ、お互いが不幸になってしまうというマッチング・リスクを考慮しておくのは、会社選びにおいてとても重要だと思う。

今日は土曜日、明日からカナダ

最後はどうでも良い話。今日は久しぶりに休日らしい休日。明日からカナダに飛ぶのでその準備を一日掛けてやる。歯医者行ったり、髪切ったり、お世話になる人にプレゼントを買ったり、いろいろ。1ヵ月向こうにいるので、日本でしか得られないものを摂取しておこうと言うことで、ラーメン食べたり、足ツボ・マッサージしてもらったり。で、これからパッキング始めます。


明日から英語漬けになるので、ここでのブログの更新頻度は一層下がりそう。一応今のところは、ここ以外のどこかのサイトで毎日英語でブログを書くつもり。