Sun が KKR から役員受入れ

古巣があの泣く子も黙るKKRから出資(正確にはKKRがCBを購入)を受けたというのは年初の話だが、今度はKKRより役員を受け入れるとのこと。

Sun Microsystemsは4月26日、投資会社Kohlberg Kravis Roberts(KKR)で上級顧問を務めるMichael Marks氏を取締役会に迎え入れることを発表した。

サン、投資会社KKRから役員受け入れ--7億ドルの出資条件として - CNET Japan

サンのプレスはこちら。この行間から読み取れる戦略的意図に関してはその道のプロに任せるとして、株主としてそして元内部者として、個人的に思うのは、この一連のニュースはサンにとってとても良いことなんじゃないかと。

それは、単純にKKR様のようなところから出資を受けるということは、Sunの株価が割安だということを意味するから。また、役員としてやってくるMichael Marksという人も、経歴を見る限りではまともそう。KKRの前はいくつかの製造業の経営をしてきたようで、いわゆるウォール街畑を歩み続けてきて投資先のバランスシートの右側をいじくり倒すことしか興味のない輩ではなさそうだ。

バイアウトファンドに株価が割安だと思われているってことは、企業価値を上げられるポテンシャルがあるにも関わらず、経営効率がまだ悪いということ。一年前にファウンダーが退き、手塩に育ててきた経営コンサルタント出身の柔軟でスマートな青年をCEOに昇格させたところで何か変わってきたなぁっという印象は受けていた。(そのCEOのジョナサン・シュワルツが彼のブログでKKR出資に関して述べている。書いてることはごく正直なところなんじゃないかと思う。) 加えて今回の一連のニュースを見て思ったのは、今までビジョンやらイノベーションやら夢見てきたものを、どうやったら安定したキャッシュフローに変えられるのか真剣に考え始めたんだなということ。外の血を入れるということ、そして経営のプロを入れるということ、とてもいいことだ。過去テクノロジーに関して言えばその道のプロ、天才達を大量に採用してきたが、マネジメントやファイナンスの領域に関してはそうしたことをしてこなかったように思える。Ed Zanderが去った後、サンの経営がなかなか上向きにならなかったのはそれなりに相関関係があるような気がする。ビジョンだけでは食っていけない。やはり組織には実務家は必要なのだ。

と、僕が思ったのはこのくらいだが、ファイナンス的な意味合いは表裏いろいろありそうなので、そこら辺は今度学校でその筋の人に聞いてみよう。

というわけで、言いたいのは、一年後には手持ちの株売っぱらって上京資金に当てたいので、社員の方々は、僕やKKRといったモノ言う株主を意識しながら、死ぬ気で頑張って企業価値向上に努めてもらいたいということ。そして、投資家の皆さんに関しては、サンの株は中期的にみて強くBuyだということ。以上、よろしくお願いします。