今期の授業

今週から2回生前期の授業が始まる。出席した履修予定の授業について。

bold;">ポートフォリオ理論:海外のBSでも広く使われている『Modern Portfolio Theory And Investment Analysis』の前半(現代ポートフォリオ理論)部分をカバー。CAPM、APTなどをPhDレベルまで突っ込むらしい。原書をそろそろ手に取ろうかなと思っていたので丁度良いタイミングだ。担当は大野薫先生、あの高名なロスの本の翻訳者である(最近第7版が出た。買ったらサインしてもらおっと)。まあご経歴も超一流だが、学生に対する煽りや脅しも超一流でした。課題は結構大変なようで腰は引け気味だが、折角の機会なのでなんとかついていこうと思う。
bold;">技術経営:いわゆるMOT。特に昨今Buzz wordとなっているInnovation Managementに焦点を当てたもの。クリステンセンやヒッペルといった超有名どころから、一橋イノベーション研究センターなど日本での状況を踏んだ本を、十数冊かいつまんで読みディスカッション、途中何度かケースを行うという形式。毎回リーディングアサインメントがあり、レポート提出を要するので、ちょっと重い。これも最後まで離脱しないでいけるか限りなく自信がない。前職がイノベーション志向の会社だったこともあり、この分野もともと興味があったので、いくつかのテキストは既に読んだが、ディスカッションを通して何か発見があればと思い履修予定。あと、去年の経営戦略の授業は途中で切ってしまったので、椙山先生に対する申し訳なさもあるかな。
bold;">金融工学実務:野村證券金融工学研究センターのメンバーによるオムニバス形式。初回を受けた印象では、金融工学と言っても数式ゴリゴリといった感じではない。なんかカルチャースクールの「はじめての金融工学」って感じで若干マッタリ。この雰囲気、決して嫌いではないが、ほとんどの回が遠隔講義なので日本の金融理論の最先端を行く講師陣と直接戯れることができないのが残念か。「それ、ノムラにきいてみよう♪」と気軽にはいけないわけだ。まあ空き時間なので、とりあえず取ってみる。
bold;">ベンチャーキャピタル投資論:講師はフューチャーベンチャーキャピタル川分社長。今回お会いするのは初めてではないが、ちょっと印象が違った。かなり物腰柔らかく、ベンチャー企業によくあるぎらぎらした社長というイメージではなかった。投資先の訪問や当事者(ベンチャー社長)を交えたケースなども予定されている。夏にとあるベンチャーキャピタルインターンに行く予定なので、日本のVCの実態がどんなものなのか最低限は押さえておこうと思う。
bold;">ワークショップⅠ(コンサルティング・プラクティス):いよいよ始まったワークショップその1。担当教官とクラスメート6人で、ベンチャー企業へのコンサルティングを行う。主な内容は、取引コストの測定と分析、それを踏まえた業務改善提案、さらにはそれを測定するための業務ソフトウェアの開発。メンバーはちょっと加齢臭きつめ自己主張もきつめだが、楽しい人たちがそろった。大変有意義なコラボレーションになると思う。
bold;">ワークショップⅠ(経営戦略と企業金融):ワークショップもう一つ。先生は曳野先生とグロービスでも教えているらしいみずほ証券杉浦先生。二人とも話をすると超スマートだとすぐ分かるような人たちだが、キャラクターが対極行ってて面白い。京都の企業を選択して、グループで財務及び経営の診断を行い報告する。いきなり、来週のリーディングアサインメントの発表者にされる(てか、義務感で自分で手を挙げたのだけれども)。
bold;">コーポレートファイナンス実務:この授業も先の杉浦先生。ただ途中でみずほ証券の他の方に代わるらしい。資料はよくまとまっており、説明も丁寧。今回は、FCF、DCF法、債券利回りとおさらい。残念なのは、学部生と共通の講義のため、参加者が多いこと。もっと少人数でインタラクティブにやりたい。それほど広くない部屋に100人くらい参加してたので、途中空気が薄くなった気がして落ちそうになった。一回目でかなり進んでたので、学部生にはちょっときつそう(=すぐに人減りそう)。一年時に得た知識の応用発展、あと証券アナリストの勉強の補助になればと思ってる。
bold;">事業再生管理:これはすごい。なんと3月に解散したばかりの産業再生機構の出身者他10人によるオムニバス形式の授業。彼らが実際に手がけたカネボウダイエーの再建事例を読み解いていく。一回目は、機構の前にはあのサーベラスに在籍していたという渡辺美衡氏。早口で一生懸命話す姿が印象的だった。正義感がとても強そうな人だ。大金はたいてもいいから、聴きたいビジネスマンは多そう。貴重な機会だ。


とまあ、見れば分かるが、今期はファイナンス特別強化期間なのである。実務家教官の面白そうな授業を選択していったら、結果こうなったというのが正直なところだけど。

ここ1ヵ月半ほど証券アナリストの勉強を隅々までしていたこともあり、飛躍的にこの手のファイナンス系講義の内容を理解できるようになった。証アナの一次の範囲は、ちょうど一年目にやったファイナンスコーポレートファイナンス財務会計、ミクロ・マクロ経済の授業をカバーしているので、効率的な復習になった。まさに血肉になってる感じで、勉強しててとても良かったと思う。通信教育費はかかるけど、皆にお勧め。

また、今期は実務家教官のクラスが多く、非常に刺激的だ。なまっていた脳みそをそろそろ社会復帰に向けて活性化しようと思っていたのでちょうど良い。でも、何人かの先生が、海外のBSに照らし合わせて、学生達の授業参加に対する積極性について「?」を投げかけていたのが印象的だった。やっぱりそうだよね。もっと煽ってもらったほうがいい。